月まで連れてって

好きなものをブログに書きます。

2. 三島食品「ゆかり」

f:id:basuroman:20200601010541j:plain

 前回の香水からの、この高低差。


食事は日常でもあり非日常でもあると思いますが、私にとってふりかけという食品は非常に日常寄りです。
気が付いたら、家にあったし。知らない間に、また増えてる。
定番品から変わり種まで、ただただ「白米をよりおいしくする」というのがふりかけの崇高な目的です。
おかずが乏しい日の最後の一口に。ご飯に彩りを与えるために。そしてまた、給食やお弁当といった、子供時代の味の記憶を底支えしています。


その中でこの「ゆかり」は、生まれた瞬間から摂取させられてたのか?レベルに気が付いたら身近にありました。
これ、私にとっては呼吸レベルに当たり前の食品だったんですけど、知らない人もいるのでしょうから説明しますと、シンプルに赤シソのふりかけです。
ただただ、赤シソ。酸味としょっぱさ。それが全て。
特筆すべきはパッケージと同じ、きれいなきれいな紫色です。お米の湿気で、乾いたゆかりが少しずつ開いて張り付いて、薄紫に色づきます。混ぜ込んでおにぎりにしてもよいし、お米とお米のブロックの間に挟んで、二段ゆかりご飯にしてもまたよい。
とにかく酸っぱいものは飽きにくいが私の持論ですが、爽やかさと塩気が、その持論を裏付けてくれます。
たぶん無限に食べられるんじゃないか。胃の中から知らないどこかへゆかり専用道がつながっていそうな気すらする。

 

母は子供のころの運動会やピクニックだけでなく、中高6年間のお昼ご飯にお弁当を作ってくれていました。まじ感謝。
記憶の中にあるのはいつもこの紫色です。歯に張り付いた紫を落とすために口をゆすぎまくった、中高の薄汚い水道を思い出します。
あまりに入っているのが当然なものだったので、社会人になってお弁当を作り始めてから、自分でも困ったらゆかりご飯を全力で詰めてお弁当を作っていました。
(残念ながら社会人弁当作り生活は即断念しましたので多くは語りません)

 

そもそも、最近まで「ゆかり」は赤シソふりかけ全般を指すものだと思っていたのですが、「ゆかり」は三島食品株式会社の登録商標なのだそうです。
®つけなきゃダメかな。めんどくさいので今回は見逃してください。
まずはいったん、今回画像も引用させていただいた三島食品株式会社のHPを貼らせていただきます。

 

www.mishima.co.jp

 

この会社がすげえんだ。以下延々と記述いたします。

 

まずなぜこんなにも定着しているかというと、なんと国内赤シソふりかけシェアの9割が三島食品のゆかりなのだそう。とんでもない。
そりゃ、「ゆかり」は「ゆかり」ですよね。ていうか言われてみればほかに食べたことない。これってすごいことですよ!
1970年から販売し始めて、今年で50年。半世紀売り続けて、今でもトップ張ってるっていうかっこよさ。
三島食品がどんだけゆかり愛に溢れているかというと、三島食品のHPの上部、一番左の「会社情報」の次が「ゆかり®について」ですよ。「商品ラインナップ」を押しのけての第2位。若干、ほかの商品がかわいそう。

 

f:id:basuroman:20200601233546j:plain

なんか、すごいキャンペーンやってる。ゆかりアイロンビーズ超ほしい。

今気づいたのですが、50周年キャンペーンで、ばんばかゆかりグッズを作ったみたいです。
ゆかりマスキングテープや、ゆかりエプロン。なんじゃそりゃ。ありえない、欲しすぎる。なぜもっと早く気付かなかったのか大後悔です。
倍率が上がるのであんまり教えたくないのですが、特設ページを共有しちゃいます。

 

ほかにも三島食品さんのゆかり愛を表すエピソードとしては、ゆかりはなぜかペン型のサイズで売ってるのがあるんですが、これは社長さんかどなたかがゆかりを持ち歩きまくってて、持ち運びに便利なサイズってことで開発したそう。ゆかり持ち歩くシチュエーション、何?いやでも欲しいかも。
さらに、団体向けに工場見学ツアーもやってるのですが、なんと、バーチャル工場見学もやっています。しかもVRにも対応可能。本当に、どこまでも愛の深い会社…

f:id:basuroman:20200601235117j:plain

360°各工程を見られる素晴らしい仕組み。

ところどころ宝箱が置いてあって、開くと「50周年記念」のキーワードの一文字ずつが見つかります。それだけですが、その愛がたまらない。
工場の見学ツアーは今年いっぱいお休みするようですが、早く子供たちがゆかりの素晴らしさを見学で知る日が来ることを祈っています。(ちなみに10人以上で予約できるようなので、私はいつか行くことを諦めていません。)

 

ところで、「ゆかり」ってなんでゆかりって名前なの?っていう話なんですが、これはなんと古今和歌集が関係しているそう。掘れば掘るほど深いゆかり。

f:id:basuroman:20200601235956j:plain

「むらさき草が一本咲いている。と言う(縁)だけで武蔵野の草花が、皆愛おしく(身近に)感じてしまう…
「縁」のあるもの、「ゆかり」のあるものとして、むらさき草が詠われているところから、「ゆかり(縁)の色」は、「紫色」を言うようになりました。

現在、人の名前で『紫子』と書いて「ゆかりこ」と読む方もおられます。
三島食品株式会社では、赤しその名前を考えたとき、商品の色が紫色であることと、皆様との「ご縁」を大切にしたいとの思いから、「ゆかり」と命名しました。

 

引用:三島食品ホームページ

 

想像もつかなかった。
少々話はそれますが、私の住んでいる武蔵野市の市歌には、「ゆかり」というワードが出てきます。
生きてると、こういう繋がりみたいなのが見つかるから、毎日しょうもないことばかり考えていても楽しいんですよね。

 

f:id:basuroman:20200602000139j:plain

 引用:武蔵野市ホームページ(http://www.city.musashino.lg.jp/shisei_joho/musashino_profile/1003294.html)

 

ちなみに、三島食品、ゆかりの派生商品はゆかりチューハイ(超美味しかった)が有名かと思いますが、ほかにもリキュールとかダックワーズとか結構好き勝手作ってるようです。
そして、なんとゆかりの姉妹商品も出ています。一時期ネットでバズったようですが、それがこちらのお二つ。

 

f:id:basuroman:20200602001748j:plain

姉妹感強いな。

ほかにも「うめこ」なる商品も出ているそう。みんなかわいいですね。素敵。

 

本当に延々と書いてしまいましたが、シンプルにこれが愛の大きさです。

三島食品よ、永遠なれ。

歯が紫色になってでも食べ続けたい。

 

 

雑記

さんざんハイテンションでふりかけへの愛を語りつくしましたが、最近の出来事と思い出を。

 

先月くらいにようやく運転免許を取得したので、父に家の車の運転を申し出たら、やんわり断られた。

まあそりゃ1年はハンドル握ってないしね。心中お察しいたします。

昨年の入社してすぐくらいのころ、教習期限がぎりぎりだったので、仕事が終わり次第ダッシュで電車に飛び乗って、教習所までコトコト電車で向かって、スーツのまま学科教習を受けていた。

当時、結構嫌なことばかり考えてしまう時期で、ずっと自分を責めたりいろいろを悔いたりで心も頭も忙しくなっていて、

一度、学科教習を受けながら急に涙が止まらなくなった日があった。

夕方の薄暗い教室で、二段階目の教習でほとんど人がいない中、リクルートスーツ姿でボタボタ泣いてる女を、講師も、同じ教室の人たちも、見事にスルーしてくれた。

マジで地獄みたいな空気だったと思う。ひた長い50分だった。

 

という湿っぽい記憶を、少しよれた教科本を見て、ふと思い出した。